洗練されたバイアグラ

私が接触したヨーロッパの大手機関投資家は次のような感触を知らせてくれました。
@ファニー・ファンドの圧倒的多数を保有するヨーロッパ投資家は水面下で連絡を取り合い、対策を考えている。 総会前の二〇〇三年一二月一四日にファンド経営陣と個別に会合を持ち、また総会後の二〇〇四年一月一四日にジュネーブで集合、過半数の投資家の賛同を得て緊急株主総会開催要求手続きに入った。
Aファンド経営陣を告訴することは機関投資家としては自分の信用にも関わるのでしたくない。 B要は何年かかろうとも投資家が満足の行く運用結果を出すことで、そのためには取締役会構成員の一部入れ替えなど効率的運用体制整備は必至と考える。

C取締役候補の人選を続けている。 ファニー・ファンドのビジネスとは競合関係にない会社の人材、あるいは独立したプロフェッショナルを対象に考え、すでに取締役会過半数を占めるべき人ぴとからは内諾を得ている。
D二〇〇四年二月一〇日にファンド運用会社の経営陣との会合を再び聞く。 また、同年三月半ばに株主総会を開催して新経営陣を決定する準備を進めている。
E新経営陣誕生の暁には、A.資産評価見直しB.キャッシュマネージメントの見直しc.監査のやり直しに注力、ファンド価値の再建に特化すべきと考える。 F現経営陣でも今後のファンドの信用、価値再建にプラスとなると思われる人には残ってもらう予定である。
以上が私の目から見た現況です。 二〇〇三年二一月から現在まで、現ファンド経営陣、急進派、ヨーロッパの機関投資家筋と度重なる情報交換の場を持ち、独立した立場で行動するよう心がけました。
当然のことながら、過半数を握るヨーロッパの機関投資家の意向が反映された方向に経営、運用が切り替えられる可能性が高いと思われます。 スティーブはヨーロッパの投資家たちの政治的駆け引きのすべてを把握することはできなかったが、以上のような文書を、誠意を込めて作成し、報告書として彼の顧客に配布した。
スティーブ・ワグナーは、彼の長いキャリアにおいて、ヘッジファンドが損失を出す事態をしばしば経験していた。 相場環境が悪いときには、どんなすばらしい運用者でも多少の損失を出すことはある。
それは投資家が背負わなくてはならない「リスク」であり、多くの場合、投資家はそのリスクを承知していた。 しかしファニー・ファンドのように、運用の凍結措置がとられたことで自分の信用問題に発展したことは今までなかった。
投資家のなかにはファンドの紹介者であるスティーブに対して敵意を抱き、損失分を補償しろと迫る者もいた。 しかしスティーブを知る多くの投資家は彼の報告書を理解し、事態を把握し、ヨーロッパの機関投資家と足並みを揃えようとしていた。
運用に関する報告書、監査は定期的に行われ、投資家の手元に届いていた。 「家賃保険」に関する報告会もなされ、形式的にみれば、株主に対する開示義務に関して、ファンド運用会社の落ち度はない。

同時に、投資家と運用会社の聞に立つスティーブに手落ちがあったとはいえない。 ファニーーファンドのビジネスプラン自体に誤りがあったともいえない。
ただ、過去七年にわたり、ファンドが大量解約に直面したことがなかっただけである。 一般に配当のないヘッジファンドにおいて、多くの投資家は長期のキャピタル・ゲイン狙いで投資するため、解約せずに保有することを好む。
そのため、ファニー・ファンドでのような流動性のない不動産に投資するファンドの場合、基準価格の計算が不透明なため運用実績が水増しして報告されていても投資家が事前に気づくことはなかっただろう。 運用自体への疑問が出てきたのは、ファンドが「{永賃保険」という案件に投資すると発表してからだ。
ファンドが原則的な運用方針を変更する場合、投資家は何かがおかしいと疑問を抱く。 しかも運の悪いことに、その直後にエンロンとワールドコムの不正会計疑惑があり、株式市場は急落した。
心理的に不安に駆られた投資家が解約に殺到したのも無理はない。 ファニー・ファンドは、ルクセンブルク市場に上場しているオープン型だったので毎月解約に応じる仕組みになっていた。
ファンドに投資する際には、必要なときには解約できるという流動性の高さが投資家の人気を集めた。 しかし、今度は、流動性が高いという利点こそが命取りとなった。
それにしても、なぜファンドの基準価格が予想以上に目減りしていたのだろうか。 解約が殺到し投資家の前に運用の実態がさらけ出されるまで、すべてが最初から嘘で固められていたのだろうか。

企業の会計監査までをも不正に操作し、株価を高めることで株主を踊し続けたエンロンやワールドコムの経営幹部が行ったことと同じような不正を、ファニー・ファンドの経営陣が行ったのだろうか。 スティーブにはその真相がなかなか理解できなかった。
ダーク・ヴァン・ベルグの人なっこい笑顔もすべてが偽りだったとなると、なぜ組織的に投資家をそこまで廟す必要があったのかと、スティーブは考えた。 そして、「ダーク・ヴァン・ベルグは大変なペテン師だぞ」というカプリオリの言葉がよみがえった。
何が彼をそこまで狂わせたのだろうか。 ファニー・ファンドの初期の資金は彼の親類一同や一族から調達された。
彼の母方の家柄がよいことから、多くの知人や縁者がファニー・ファンドの優れた実績を知り、信用して投資するようになった。 せっかく七年もかけて実績を上げ、信用を築いて運用を拡大してきたのに、こうなった以上、ダーク・ヴァン・ベルグが関わってきたすべての人間関係、親子、親類、ビジネス、あらゆる人脈をつないでいた信用が崩壊していった。
この信用崩壊は、ファンドを投資家に紹介したスティーブの身にも降りかかってきた。 常識的に考えれば、信用崩壊で得する者は誰もいない。
なぜそんな自滅的で無意味な行為に至ったのか。 経営陣が合理的な判断力や倫理観を失うとき、その騎りは「神の怒り」に触れるごとく、資本主義の自己浄化作用の法則に従い、淘汰の目にあう。

淘汰の過程で信用崩壊の波を、責任あるトップから無実の従業員まですべての関係者全員がかぶる。 副社長として経営に責任のあったヴァン・ベルグを、カプリオリが「ペテン師」と罵るのも、カプリオリから見れば当然の怒りのなせることであろう。
運用損失が出ると、投資家は怒り、恨み、何かと感情的になるのがつねである。 最悪の信用崩壊を防ぐためには、崩壊の波が収まるまでは冷静に事態を見守ることしかなかった。
そして、いったん波が静まり平常に戻るのを見計らって、復活を図るべく、立ち上がる。 再度、信用創造を行うべく活動を開始する。
その後、ヨーロッパの機関投資家を中心に、水面下ではさまざまなグループの利害調整と折衝が行われた。 やがて、穏健派が大勢を占め、ファニー・ファンドに投資した機関投資家を代表して、大手プライベート・パンク、フォルト銀行のリュック・デュ・クラピエがそのまとめ役となった。
急進派が穏健派に吸収されるまでの問、現取締役たちがあらゆる資料をシユレッダーにかけて証拠を隠滅したなどと、摩詞不思議なうわさがEメールで飛び交った。
今バイアグラの発展性を考えてみました。バイアグラは常に前進しています。
バイアグラの道は決して楽ではありません。世界中でバイアグラは支持されています。
バイアグラのココだけの話をしましょう。自分にあったバイアグラに出会えて満足です。